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flycd 07
trico! "love home"
trico!というプロジェクトを始めるに至った経緯、直接的な動機は?
love homeもともと音楽を始めたきっかけは曲を創るのが好きだったからです。ただ表現をするために、演奏というのも必要で最初は、仕方なく演奏していたところがありました。けれどアコーディオンに出会ってからは演奏する楽しさを知り、そのうちに、嬉しい事に他アーティストの方にも声をかけてもらえるようにもなったこともあり気づくと演奏ばかりになっていました。ただ、やはり私自身、演奏者としてはなんでもオールマイティーにこなせる方ではないので私よりも他の方が演奏したほうがクオリティーがあがるんじゃないかと悩むことも増え始めました。
もっと自分の良さを一番引き出せる形で演奏したい。そう思ったときに、やはりそのためには一番自分が好きな“曲を書く”という行為が必要なんじゃないか。その上での演奏だったら、もっと良い演奏ができるかもしれない。で、その為にはソロプロジェクトを始めようと。
trico!にとってアコーディオンと他の楽器との違いはなんでしょうか?
それまでキーボード、シンセばっかりいじっていたので音はスピーカーから自分に帰ってくるのが当たり前だったのですがアコーディオンを抱いて演奏をすると自分のカラダから、外に音が出て行くような感覚になり今までと音の向きが違うことにびっくりしました。
自分で音を出しているんだ。自分から音が出ているんだという実感がわきました。楽器がカラダの一部となり感情をストレートに音にできる楽しさを知ったのです。
それから、生楽器のあたたかみや音の響きの良さがたまらなく好きになり、アコーディオンから始まって、鍵盤ハーモニカ、オルガン、トイピアノといろんな楽器を試したくなりました。子供がよく触る楽器は、その音色のせいなのか気持ちを表現しやすい楽器だなあと思ったからです。もちろん、楽器のデザインや見た目もカワイイものが多いので、それに惹かれた部分も多いのですけどね。
アルバム"Love home"のコンセプトは?
我が家がとても好きなんです。この家のレトロな雰囲気、この家での暮らし。ご飯も、小さな庭も、遊びに来る猫も。とても充実した時間を過ごしています。 家にいるときの私は、もちろんとてもリラックスしているので一番自然な気持ちで音楽に向き合えていると思います。そういう素のままの自分でいる時、曲が自然に生まれてきます。我が家はとても古い木造の家なのでそんな時も、普通 に外の音が耳に届いています。例えば、鳥や犬の鳴き声や、近所の方の話し声なども。その我が家を包む空気の中で曲を書いたり、演奏したりすることがとても気持ちよく、大好きなので、録音するときは、楽器の音だけに集中するのではなくこの空気全体が必要だなと思いました。日々の暮らしへの愛情を録音することで一番自然な自分、一番自分の良い空気が聴いてもらえるのではないかと思い、このアルバムにつながりました。
"Love home"の制作のプロセスについて教えてください
休みの日に、なんとなく楽器を触っていると曲が浮かんでくるのでそれを何度も繰り返し弾いてみたり何度も録音してみたりして形を作っていきます。他の音が聴こえてくれば自分が演奏できる音ならその場で足していきますし、そうでないなら後日、この人の音が合うと思う人に頼みます。
cinq氏とのやりとりは最初に私がベーシックになる音や唄を入れて渡し、それらをエディットしてもらったり、サウンドエフェクトを足してもらったりして他の音が必要と思えば、また足して、また渡して、触ってもらって、の繰り返しです。これで完成と思った時点で終わりですから、ほぼ一度のやりとりで終わった曲もあれば何度も往復したものもあったと思います。
最終的にこれで完成と判断する時の一番重要な要素はなんだと思いますか?
その曲で見せたかった景色がきれいに現れたとき、ですかね。
それは私だけじゃなくて一緒に作業している人もだいたい同じ瞬間に感じるみたいです。
音楽を創る上で、音楽以外の物事、事象などから影響される事はありますか?
音楽自体を普段あまり聴かないのですよね。音楽全般というよりは、音楽をやっているアーティストの作品を好きになるという感覚なので、音楽と限定せずに多くのジャンルから影響を受けていると思います。
写真、絵、アート、本、映画、建築、デザインなどなど興味のあるものはたくさんあります。それぞれはそんなに深い知識はもっていませんがいろんなアーティストの違う角度からの見方や表現方法を知るのが好きです。そういう出会いをしたときは自分もたまらなく何かを創りたくなります。
trico!というプロジェクトに於いて、りえさんは作曲者/プロデューサーであると同時に、演奏者でもあるというスタンスですよね?前者と後者では、音楽を捉えるポイントは違いますか? また、表現の核となる部分は、CDとして聴いてもらう事と、ライブで演奏する事のどちらにあると思いますか?
録音するときも演奏するときもそんなにスタンスは変わりません。そのとき必要だと思う音を探して、その場で可能な形で創っていくという感じです。ライブのほうが、音を厳選しなければならないというぐらいの差です。
どちらも好きだし、どちらも大事です。広く多くの方に聴いてもらえるという意味があるのでCDはコンスタントに創っていきたいとは思います。
また、多くののアーティストのライブやレコーディングをサポートされていますが、それらの音楽活動と自分自身の音楽活動との関係性について教えてください。相違点はありますか?
全く違いますね。他アーティストの方のライブやレコーディングではその人の世界がありますから、その世界をきちんと表現できているか、逆に壊してしまったりしていないかとても気になりますし、気を使います。
その世界を創るのに役立ってなければ一緒にやる意味はありませんからね。もちろん、好相性の場合もありますからそういうときはのびのびとやらせてもらってますが。
自分のプロジェクトの場合は好き放題ですよ。好きなことを、好きなだけ。
普段どのような音楽を好んで聴きますか?
先述の通り、実はあんまり聴いていませんのでこれと言ったジャンルはありません。好きになったアーティストの作品を掘り下げて聴くのが好きです。
例えば、Sylvain Chauveau、Yann Tiersen、Vincent Gallo、IDA、Tara Jane Oneil、Juana molina、Rachels、Rachelsなどが好きです。
日常生活の中で音楽はどのような役割を果たしていますか?
音楽をやっていたおかげで毎日自分を試す事ができます。私の場合は、音楽をちゃんと勉強したわけでもないので技術的なことはもちろん、まだまだ学ぶべきことが多すぎてとても満足できるレベルではありません。だからまだまだ続けていくと思います。
私は、音楽をやっていなくても何かは確実に創っていたと思います。ただ、その何かの習熟度のレベルが高くなったら面白くなくなって、次の何かにシフトしてるでしょう。そういう意味で音楽は、やるべきことが多すぎて自分がどこまでできるか長い期間をかけて試す事のできる表現ツールかもしれません。
では次に自分の作品を作る時、どのようなものにしたいか?なにかプランはありますか?
『Love home』ができたときからもう次のプランが頭にうずまいていて、早く録音したくて仕方ありません。今はライブの準備などでとりかかれないのでネタ集めぐらいで、我慢しています。
最後に、7/24のリリースパーティはtrico!として初のライブということになるわけですが、それについてなにか一言お願いします。
trico!名義では初ライブになりますが、今までいろんな形のライブをやらせてもらってきたので、初めての意味合いよりも新たな節目の意味合いが強い気がします。サポートをやってもらう山口とも氏には
そういった節目のライブでいつもお願いしてきました。私がそのときやりたいことを、説明しなくても
ちゃんと拾って、カラフルに色づけをしてくれるので7/24もきっと素敵な世界が作れると思います。私も今から楽しみで仕方ありません。きっと楽しんで頂けると思うので、ぜひ遊びに来てくださいね。
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