masヤマダタツヤによる"steppers+"のセルフ・レビュー（制作裏話） 1. trivial joke この中では一番古く制作した曲で2004年アタマには原型が録音されてた。元々はスタンという人がドイツでリリースする予定だったコンピレーションに収録される予定だった曲です。結局コンピリリースは立ち消えたんだけどライヴでやってるウチに気に入ってきたのでアルバム用に新たに一部レコーディングしなおしたり、楽器を足したり 編集しなおしたりして完成。当時はこの4つ打ちなテイストとかをmasでやるつもりは全然なかったしわざとらしいザックリしたエディットもちょっと笑っちゃいながらやったのでタイ トルは"trivial joke"。コンピだからいつもとは違う事をやろうと思ってた。今のライヴのアレンジはもっとダイナミックでグルーヴも出てきたのでまた違う曲ぽくなっててかなり気に入ってます。 2. circus [joint ORIGAMI] いろんな縁あって降神と知り合って結びついた曲。基本部分を作ったベースのホカマさんの意見がふんだんに取り入れられてとても勉強になった。印象深かったのはラップのレコーディング。夜10時頃から朝方8時頃までかかったんだけど降神2人の集中力がすごかった。テンポ感に対する姿勢や楽曲への取り組み方を見てミュージシャンとしてのポテンシャルの高さがハッキリとわかった。息を呑む瞬間ばかり。何度もライヴは見てるけど改めてとんでもないヤツらだな、と。ホントあの日の体験は言葉では言い表せない。 なのるなもないのソロアルバムのレコ−ディングの初日をボクらのために使わせてもらったんだけどなのるくんはアルバム完成したら死んじゃうんじゃない か、と余計な心配したくらいの精神の使い方だった（笑・ソロアルバム最高でした！）降神のリリックの中でもユーモア度高くてBPMの速さも相まって新しい彼らの一面を見れたと思ってます。わざわざボクらのためにスタジオを使ってくれてとても感謝。エンジニアのi-DeaさんとP-VINEの佐藤さんにも大感謝。 3. bring on 自分の中ではとってもmasらしい曲。作曲自体もサラっとできたし、サウンドテクスチャーとメンバーそれぞれのテイストがうまく絡んでると思う。自然にグルーヴが出ていくしそういうのがバンドなんだなあ…て、面白かった。こういうのをサラっとできるのは今までやってきた蓄積があるからだ、とベースのホカマさんが言ってくれたのがすごく嬉しかった。元々ライヴ用というよりはレコーディングしてからの構築と音響の部分の作成を楽しみにしてた曲です。唯一ミックスも楽で悩んだ点が少なかった。 4. cael rock 今作を作るきっかけになった曲。元々は前作"turn"に入ってた曲をライヴアレンジしていったらほとんど違うモノになっていった。そういう楽曲の変化とmasがバンドとしてまとまっていく過程がボクから見て一致してたので今回ちゃんとカタチにできて感慨深い。サックスソロを録音した時にこれまたとんでもないブツが録れたなあ、、、と思わずニヤけました。まさに大谷能生、という感じがしてすごく気に入ったのでミックスもちょっと浮いてるくらいにしました。クノさんのドラムのフレーズもイイ。で、そのミックスで一番何度もやり直して時間もかかった曲。正直もうやめて誰かに任せた方がいいや、と何度思った事か。アドバイスをくれたカンガルーポーこと中村くんに感謝です。 5. fadomi イントロ用に作ったんだけど根岸社長の判断でsteppers部分のアウトロになった曲。意図したわけじゃないけど今作では胡弓があまり目立ってなかったからふんだんに入れてみました。胡弓のキヨミはだいぶ表現の幅が広がったなあ、、、この調子でもっと良くなるのが楽しみです。サックリ、ユルっとsteppers部分は終了。 ■ +turn remixes どれもいろんな情景が広がっててすごいオモロかった。深く入って行ったり郷愁を誘われたりプレイに聞き惚れたり…みなさんよくぞやってくれましたなー、と。嬉しいです。感謝。全体的にまったりしてるからsteppers部分と混ぜるとアルバム全体がイイ感じのバランスになります。 と、いう感じで制作の過程などをふりかえってみました。反省多数でも勉強になりました。前作は完成したあと「もう作りたくない」と思ったりしたけど（笑）今ははやく新しいのが作りたいくらいです。 今作"steppers+"は自分でも聴くほどに味のある成長した自分達を刻む事ができた作品だと思います。これを作った事で次になにをすべきか見えたし、自分自身がどうやって音楽やそれをとりまく人達と関わってきたのかが振り返る事もできました。次は全曲mas印のガチンコフルアルバムを作ります。タイトルも決めてます。これからもよろしくです！